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棚田とは、平坦な農地がないため、傾斜地を開墾し、1つひとつ石を積み上げながら、何百年もかけて築かれたもの。祖先たちが何世代にもわたって築いた、すばらしい文化遺産ともいえる。
西伊豆の松崎町石部地区の集落入口から山に向かって約1.5km遡った所、標高120m〜250mの範囲に石部の棚田が広がる。棚田の枚数は約千枚。総面積は10ヘクタールにおよぶ。伊豆半島の農地は、地形上、その多くが棚田形式であるが、そんな伊豆半島においても、これほどまとまった棚田には、なかなかないという。
石部では、傾斜が急であること、良質sな石が手に入りやすかったことから、石積みによる棚田が造成されたようだ。
静岡県賀茂郡石崎町石部・赤根田村「百笑の里」に雑誌「一個人」がオーナーの棚田がある。東京から車で2時間半、風光明媚な西伊豆にある棚田からは、緑豊かな山に取り囲まれ、彼方には、美しい駿河湾も見張らせる絶好のロケーションに位置する。編集部では、この棚田の田植から、稲の成長過程、10月の収穫までをレポートする。
棚田のほぼ中央に位置する水車小屋。
松崎町石部・赤根田村の行事に
使用
水車小屋の近くに建てられた全体の |
石部周辺では伊豆石とよばれる良質の凝灰岩が産出する。石部の棚田はこの伊豆石を積み上げて築かれている。硬く緻密な石であるため、非常に頑丈で、かつては、城の石垣や蔵の基礎などにも使われていたほど。確かに、石積みの棚田を下から見ると、巨大な砦のようにも見えなくもない。
この石部の棚田も一度、大災害に見舞われたことがある。約180年前、江戸時代後期文政年間の頃、突然山津波が発生し、石部一帯は石河原と化した。もちろん、棚田も跡形もなく崩れ落ちた。
現在の棚田は、この大災害の後、長い年月をかけて復田された。現在、耕作されているのは2ヘクタール。時代とともに、耕作面積を減らしてはいるものの、棚田オーナー制度を取り入れ、米作り名人、野菜作り名人、郷土料理作り名人といった地域在住のエキスパートとオーナーとなった都心部住民の交流を深める等、地域の活性化も図っている。
ペンションや温泉宿が並ぶ石崎町石部・赤根田村の集落入り口から、車でひたすら細い山道を登ること10分ほどで、山上の棚田へ辿り着く。標高300mの山のほぼ上部にあたる250m付近に広がる棚田から、部落を見下ろす景色はまさに圧巻。遠くには、駿河湾がキラキラと輝く。田植を直前に控えた棚田は、静かに水を湛え、周囲にはのどかな農村の風情が漂う。
「イノシシやうさぎ、鹿もたくさん住んでいますよ」
と石部地区棚田保全推進委員会の高橋会長。帰り際、学校の古い校舎の屋根には、猿の親子連れ3匹が、ゆったりと寛いでいた。これから植える稲たちを守る石部猟友会の逞しいかかしの姿も。雑誌「一個人」の棚田には、うるち米「あさひの夢」が植えられる予定。
次回は、田植の様子をリポートする。










