HOME » 一個人ブログ  » 秘伝!鉄道撮影術 » 学研CAPAカレンダー編1

秘伝!鉄道撮影術

学研CAPAカレンダー編1

[2012年2月 3日]


※画像をクリックすると拡大表示されます。

学研のカメラ雑誌「CAPA」誌の編集長に呼び出された。
「CAPA」誌2012年1月号の付録となるカレンダーの
撮影をしてくれということだった。

カレンダー撮影のカメラマンに指名されたことは
喜ばしいことだが、締め切りを聞いて顎が外れた。

なんと来週じゃって! 

CAPAカレンダーは表紙と裏表紙、
そしてメインの1〜12月分の14枚の作品が必要だ。
しかもメインの写真はできるだけさまざまな種類の
レンズで撮影しなければならない。
更にそのレンズの作例写真も13枚撮らねばならず、
合計27枚もの作品が必要となる。

当然カレンダーなので季節感は必須。
ということは花の時期の写真はストックにせざるを得ない。
ということは花の写真で使ったレンズはこれからの撮影では
使用できないということになる。

担当した学研CAPA誌のカレンダー。
ちなみに表紙は16-35mmで撮影したストック写真だ


そんな無茶なミッションを受けプレッシャーを抱えたまま、
とにもかくにも撮影に飛び出していった。

とは言うものの腹が減っては写真が撮れぬ。
パワーをつけようと広島産の牡蠣と
冷凍銀ダラを買って味噌鍋を作って食べた。

銀ダラは鍋具材の王様だ

旨そうにできた。いただきます!


夜明け前に目を覚ますと、濃いブルーの空が広がっていた。
今日は良い天気になりそうだ。
小海線の始発列車、2本目の列車を撮影し、
まずまずの絵が撮れてホッとする。

朝日と列車をうまくシンクロできた。
ちなみにこの写真は1月号に使用している


ワイドレンズの作例が撮れたので
次はマクロレンズの作例を撮ることにしよう。

マクロレンズとは被写体にもの凄く近寄って撮れるレンズだ。
主に花や昆虫などの撮影で用いられる。
その理由は小さい被写体を大きく写すためだ。

列車はもともと大きいため、
マクロレンズで撮ることはほとんどない。
そこで主題をススキにして鉄道を副題として撮ることにした。
鉄道写真は列車が主題となる場合が多いが、
列車以外のものを主題としても全然構わない。
むしろ列車が写っていなくてもどこかに鉄道の存在感があれば
それは立派な鉄道写真なのだ。

ススキにピントを合わせ、線路をぼかしてみた


とはいうもののこのままでは線路とは理解しがたく、
普通のススキの写真になってしまっている。
これは被写界深度が関係している。

被写界深度とはピントの合う範囲のこと。
ピントの合う範囲が狭いことを被写界深度が浅いといい、
ピントの合う範囲が広いことを被写界深度が深いという。
一般的に広角レンズは被写界深度が深く、
反対に望遠レンズは被写界深度が浅い。
また、絞り(F値)を絞ると被写界深度が深くなり、
絞りを開けると被写界深度は浅くなる。
更に言うと、被写体に近づけば近づくほど被写界深度は浅くなり、
被写体が遠ければ遠いほど被写界深度は深くなる。

上の写真はマクロレンズでススキに近づいて撮影しているので
被写界深度が浅くなっているのだ。
背景にある線路を分かるように撮ろうとすると
絞りを絞って被写界深度を深くしなければいけないのだ。

絞りをF32まで絞ると線路だと認識できた。
ちなみに先ほどの写真はF8で撮影したものだ

列車をぼかしても撮ってみた。絞りはこちらもF32だ


夜は高山本線にやってきた。
ここでは紅葉がキレイだったのでストロボを使用し、
スローシンクロと後幕シンクロを組み合わせて流し撮りをしてみた。
まずはストロボを使用しないで流し撮りした写真をご覧いただこう。

ストロボなしの場合。暗いので紅葉の色がわかりづらい


普通のシンクロとは高速のシャッタースピードで
被写体をブラさないためにストロボを光らせるのに対し、
スローシンクロとは低速のシャッタースピードで
ストロボを光らせることだ。
そのため手ブレを起こしたり被写体ブレを起こす可能性があるが、
反面流し撮りにも応用できる。
そして普通のシンクロとはシャッター幕が開いたすぐ後に
ストロボが光るのだが、後幕シンクロとは
シャッター幕が閉まる寸前にストロボを光らせること。
そのため被写体の最後の状態の画像を写すことができるため、
特に動いているもの(この場合は紅葉)を自然な軌跡で表現できるのだ。


低速シャッターで後幕シンクロするとこんな風に写る


今日は良い写真が撮れたので晩飯もおいしくいただけるだろう。
さて今宵は何鍋にしようかしら?

続く