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吉田さらさの石仏さまに逢いたい…!

第8回「地蔵菩薩の次に多い如意輪観音」

[2012年1月19日]

またまたすっかり間があいてしまってごめんなさい。
年末年始は、次の単行本の執筆に忙殺されていました。
今度は「近江と若狭の仏像」という本で3月に出ます。
これは石仏ではない仏像全般の話ですが、
その取材で歩いた滋賀県内にも、よい石仏がたくさんありました。

滋賀県に限らず、どこの地域でもそうだと思いますが、
石仏で、お地蔵さんに次いで多いのは観音様です。
仏像好きの方ならよくご存知のように、
ひとくちに観音様と言っても、さまざまな種類があります。
観音様は、たくさんの人の願いを叶えるために、
いろいろな姿に変身なさるからです。

一般的な仏像の場合、数が多いのは十一面観音と千手観音です。
しかし石仏の場合は、如意輪観音像がもっとも多いです。
その理由は、この観音様が墓標として使われたからです。
一般的な如意輪観音は、腕が六本あり、
右脚を曲げて左脚に乗せ、右手を頬に当てて考えるポーズ。
宝珠と法輪が代表的な持物です。

 


▲東京、五島美術館庭園の如意輪観音
墓標の如意輪観音は、ほとんどこのポーズ


しかし、墓標に使われる如意輪観音像は、
手は二本、持物も省略されることがほとんどです。
したがって、「右脚を曲げて左脚に乗せ、右手を頬に当てて考えるポーズ」が
見分ける際の決め手となりますが、
地蔵菩薩も似たポーズを取ることがあり、その場合は頭を見ます。
お地蔵さんは僧侶の姿なので坊主頭、
観音様は尖がった冠を頭の上に乗せている。
これでほぼ完璧に見分けがつきます。



▲鎌倉、報国寺の如意輪観音。
このポーズで、頭に尖った冠をかぶっていれば、
如意輪観音に間違いなし


墓標としての如意輪観音は、とりわけ、
東京を中心とする関東でよく見られます。
それは、江戸時代中期ごろに、庶民の間で流行したためです。


▲東京、蟠龍寺の如意輪観音。
もの思うような優しい表情

光背に当たる部分をよく見ると、
「享保○年」というような年号と、
戒名と思われる名前が彫りこまれています。
「女」や「尼」などの文字があり、
それが女性の墓標であることがわかります。
亡くなった大切な女性と似た
優しいお顔の観音様を墓標にする。
江戸の人々の切ない思いが、
ひとつひとつに込められているようです。









 

 

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