
[2010年7月27日]
現在夜中の2時。
体が睡眠を求めているせいか、あくびとキーボードを
打つ動作が交互になっている。
「あくびの稽古(東京では『あくび指南』)」という噺がある。
噺によれば、あくびにもいろいろ種類があるそうだ。
「貰い湯のあくび」「将棋のあくび」…我々が普段している
あくびとは、堕あくびらしい。
あくまで噺の世界のことなので、実態は不明だが(笑)。
あ〜眠い………と思っていたら、また出た、あくび!
さっきのあくびは一体、何の種類だろうか。
そんなあくびの噺とは無関係(笑)な
落語会を今回は紹介する。
7月10日、場所は天満天神繁昌亭。
この日の夜席は
「林家彦いち・桂かい枝二人会〜ふたり≪情熱≫あるき〜VOL,3」。

落語会のタイトルも実に個性的!
単なる“二人会”……ではなく、さらに、
「ふたり《情熱》あるき〜VOL,3」とある。
いかに“ふたり”ということを強調させたがっているか!
いかに“情熱”が、この会に込められているか!
いかに“あるき”…………歩き?落語会で、歩く???
たぶん初めて来場した人々は、大いに疑問符を
抱えながらやってきたに違いない。
けれどこの“あるき”というタイトルの謎は、
会に訪れると自ずと解明される。
メイン出演者である林家彦いち、桂かい枝。
彦いち師匠は東京の噺家で、笑点でもおなじみ、林家木久扇の弟子。
春風亭昇太・三遊亭白鳥・柳家喬太郎と共に、
新作ユニットSWAでも活躍中。
本も数多く出版する文才の持ち主だ。
かい枝師匠は大阪の噺家で、亡き五代目桂文枝の19番目の弟子。
古典はもちろん新作も手掛け、近年は英語落語にも
力を注ぎ、定期的に海外公演を催している。
桂かい枝師匠(左)と林家彦いち師匠(右)は絶妙のコンビ
お二人のように東西の噺家同士の交流は、
繁昌亭開館以来ここ数年、より活発な様子がうかがえる。
やはり繁昌亭という落語専門の寄席小屋が
存在するということは、それほどまでに大きいということなのだろう。
前回紹介した「ゆるりふたり」も対談からスタートしたが、
今回の「ふたり《情熱》あるき」もまた、対談から始まる。
聞けば、同い年だという二人。
入門時期は違い、彦いち師の方が先輩になるのだが。
交流も、そんな同世代という親近感から生まれてくるのだろう。
「今日は二人しか出ませんからね!めくりも自分たちで!」とかい枝師。
自分の名前が書いてある名ビラを、自分たちで
めくるというのもまた珍しい。
だが…
「(彦いち)兄さんは習慣にないんでしょうね〜名ビラを
めくるっていうのが…」
ポツリと一言呟きながら、“林家彦いち”から“桂かい枝”へ
名ビラをめくるかい枝師。
どうやら彦いち師、名ビラのめくりを忘れたようだ。
「めくりも自分たちで!」と宣言したかい枝師の思惑は、
あっという間に潰された(笑)。
小さなハプニングも生だからこそ味わえる!
お持ち帰りのできない生落語会そのものなのだ。
だが、ハプニングがこの二人会の売りではない。
先程も挙げた「ふたり《情熱》あるき」。これがキーワードだ。
対談、落語を全て終えた後、お楽しみは最後の最後に待っている。
しばしの休憩後、高座に登場した大きなスクリーン。
そう!この落語会のお楽しみ…スライドショーの始まりである。
お二人が高いところに上ってそれぞれの写真を撮影し、
それにちなんだトークを展開していく。
この落語会ならでは!の個性的な企画だ。
初回はなんと富士山登頂!
だが…スライドショー用の機器が絶不調で、スクリーンに
映し出されぬまま終了〜(涙)。
あきらめきれないお二人は撮影した写真が保存してある
パソコンをスタッフに持たせて、客席に見せながら回らせていた。
二回目は東京タワーで書き初めに挑戦!
お二人が筆で書きに書きまくった作品に、埋め尽くされた展望台。
あんな書き初めだらけな東京タワー展望台を見たのは、生まれて初めて。
東京各所の景色を見るより、お二人の書き初めに注目が集まっていた(笑)。
富士山、東京タワーと来て、今回は池袋のサンシャイン60へ!
ちょうど季節は七夕で、サンシャイン60では願い事が
ビッシリ書かれた短冊が。ある短冊を見つけたかい枝師が一言。
「『ばあばあの骨折が治りますように…』。こういうの見ると、涙しますよね〜」
「笑ってたじゃねぇか!」と彦いち師。
ボケ・ツッコミのタイミングもバッチリ!
もちろん当の彦いち師、かい枝師も願い事を短冊にサラサラっと…
お二人が短冊に何の願い事を書いておられたかは…
皆さんの頭の中でご想像くださいませ。
「ふたり《情熱》あるき〜」。
富士山、東京タワー、サンシャイン60。
上った場所がこれまでは関東地方。
次回以降、関西地方の高い場所を上る時がやってくるだろうか。
関西地方の高層名所といえば、通天閣、京都タワー、
愛宕山、天保山。……ん? 最後は低すぎるか。
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